半夏生とタコというのは切っても切れない関係があるようです。

7月になると半夏生とタコについて知りたい方も多いのではないですか?

  • 半夏生ってなに?
  • 半夏生とタコの由来が知りたい
  • タコ以外に食べ物はある?

そんなあなたに、半夏生の意味やタコとの関係を詳しくお伝えしますね!

半夏生とは

半夏生という言葉は、夏が半分生まれるみたいな、初夏をイメージさせますよね?

初夏のイメージ

文字からすると季節を想像しちゃいますが、実は2つの意味があるのです。

半夏生には2つの意味がある

  1. 雑節の一。太陽の黄経が100度となる時。夏至から11日目。太陽暦では7月2日頃。
  2. ドクダミ科の多年草。水辺に生え、臭気がある。

半夏生とは季節と植物を意味する言葉だったんですね!
1つは季節の移り変わりをあらわす雑節(ざっせつ)、2つ目は水辺に生える多年草をさします。

読み方は「はんげしょう」が一般的ですが、香川県では「はげ」、大阪府や奈良県の一部地域では「はげっしょう」と呼ばれたりします。

季節としての半夏生

半夏生は雑節の一つで、毎年7月2日ごろになります。

雑節とは

二十四節気を補い、季節の移り変りをより適切にあらわすためにつけられた暦日(れきじつ-こよみで決められた日にち)のこと。
半夏生のほかに、節分、彼岸など9つの暦日がある。

雑節の種類

雑節がもうけられたのは、二十四節気(にじゅうしせっき)だけだと季節の表現が不十分だからです。

二十四節気とは

1年を24等分して、それぞれに季節をあらわす名前をつけたもの。
春分、夏至、秋分、冬至など24の季節がある。

半夏生は「夏至から数えて11日目」とよく言われますが、正確には「太陽が黄経(こうけい)100度を通過する日」なのです。
そのため、毎年同じ日が半夏生にはなりません。

半夏生と黄経

黄経とは

季節が変化するのは、地球が地じくをかたむけたまま太陽の回りをグルグルと公転しているからだ。
地球からみると、太陽は1年をかけて円を描くように1回転している。
太陽が描く円の道すじを黄道(こうどう)という。

地球からみて、太陽が黄道のどこにあるかがわかれば、季節がいつなのか?がわかる。
そこで、黄経(こうけい)が使われる。

黄経とは、黄道を春分点を起点として東から西に360度まで測った角度のこと。
黄経が0度のときが春分、90度のときが夏至、180度が秋分、270度が冬至。
半夏生は黄経100度、つまり太陽が黄道上の黄経100度の点に達した日なのだ。

七十二候と半夏生

また、「夏至の期間を3分割して、最後の3分の1の期間」を半夏生ということもあります。

これは七十二候(しちじゅうにこう)の考え方で、7月2日ごろから七夕前日の7月6日ごろまでの5日間が半夏生にあたります。

七十二候とは

二十四節気の各季節をさらに3つの期間に分けて名前をつけたもの。
72の季節があり、それぞれの期間は5日ほどになる。
半夏生は、夏至の最後の3分の1の期間。

七十二候と半夏生イメージ

かつて、農家では半夏生を畑仕事や田植えを終える節目の日としていました。

半夏生の時期には「天から毒が降り、地から毒草が生える」といった言い伝えがあり、お百姓さんはこの時期までに田植えを終わらせていたようです。

天から降る毒というのは、この時期に見舞われる大雨《半夏雨》のことでしょうね。

大雨が降ると雑草が急速に育つ。
雑草の中には毒草も繁茂しているでしょうから、それまでに農作業を終わらせる必要があったのでしょう。

昔の人の言い伝えって、オソロシイですね~。

2019年の半夏生はいつ?

2019年の半夏生は、7月2日(火曜日)です。

近年では、7月2日だけではなく1日になることもありますよ。

2020年以降5年間の半夏生は下記のとおり。

年度 半夏生の日
2020年 7月1日
2021年 7月2日
2022年 7月2日
2023年 7月2日
2024年 7月1日

植物としての半夏生

咲き誇る半夏生

雑節の半夏生に花が咲くことから、半夏生と名づけられました。

葉が部分的にペンキを塗ったように白くなり、白い穂状(すいじょう)の花が咲きます。

葉の半分が化粧をしたように白くなることから、読みが同じの「半化粧」と書くこともありますよ。
また、葉の表片面だけが白くなるので、片白草(かたしろぐさ)と呼ばれることがあります。

半夏生の別名は片白草

本来、本州以南の低地の湿地帯に広く群生していましたが、現在では生育に適した環境が失われつつあり半夏生も減少しています。
悲しいことに東北地方や北陸と関東地方の一部地域では絶滅が危惧されています。

半夏生の由来は毒草?

この半夏生、一説では、烏柄杓(からすびしゃく)という毒草に由来するともいわれます。

烏柄杓は、別名で「半夏(はんげ)」と呼ばれ同じ時期に咲きます。

半夏生と半夏、どっちも名前が似ていて同時期に咲くので、烏柄杓は半夏生の由来になっているのでしょう。

しかし、半夏生《ドクダミ科》と烏柄杓《サトイモ科》は違う植物です。

半夏生に毒性がある報告はなく、むくみ・便秘の解消に使うことがあります。

といっても、料理に使われるものでもなく、食べたりしないほうが良いでしょうね。

一方の烏柄杓は有毒ではありますが、根の部分は生薬にも使われています。

半夏生の名所はここ

京都には半夏生の見どころがたくさんあります。

建仁寺(けんにんじ)の両足院(りょうそくいん)は半夏生の寺とも呼ばれ、花の時期になると半夏生咲く庭園が特別公開されます。

嵯峨御所・大覚寺(だいかくじ)では、大沢池に流れ込む小川の辺りが見どころです。

足利将軍家の菩提寺である等持院(とうじいん)では、心字池(しんじいけ)周辺が有名。

他にも、勧修寺(かじゅうじ)三千院天龍寺などで半夏生を楽しむことができます。

京都での見ごろは6月下旬から7月中旬までだそうです。

奈良県御杖村(みつえむら)「岡田の谷の半夏生園」では、約3000平方メートルにわたって半夏生が群生しています。
7月になると、半夏生が白い絨毯をしきつめたように咲き誇ります。その壮観な光景を無料で楽しめるとのこと。

関東でも見どころはあります。

東京では、新宿御苑(しんじゅくぎょえん)の母と子の森の池周辺。
6月下旬になると、葉の半分が白く染まった半夏生をみることができます。
数少ない都会の初夏の楽しみの一つですね。

上野公園の不忍池(しのばずのいけ)小石川植物園、武蔵野市の井の頭公園などでも見れますよ。

埼玉の武蔵丘陵森林公園では、6月中旬から7月上旬が見ごろだそうです。

時間が許すなら足を運んでみるのも良いですね!

ご家庭で育ててみたいという方は、楽天で半夏生の苗が手軽に購入できますよ。

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半夏生とタコの由来

海中のタコ

どうして半夏生にタコなの?と思われるでしょうが、由来は関西地方の農家にあります。

ちょうど田植えを終わって雨の多い半夏生の時期に、一部の農家では豊作を祈願してタコを食べていたそうです。

稲の穂がタコの足のように何本も広がって、吸盤のように作物が土に根づいて、豊かな実りをもたらして欲しいという願いが込められていたのです。

豊作祈願だけではないでしょう。

半夏生の期間に畑仕事や田植えで疲れた身体を休め、栄養豊富なタコを食べて猛暑に備える狙いもあったに違いありませんね。

タコは縁起物

タコには次のような縁起をかつぐ言い伝えがあります。

  • 多幸(当て字)
  • 善いものに吸いつく「多くの足で獲物をとらえ逃さない」く
  • 苦難を煙にまく(墨を吐いて敵から逃げる)
  • 合格祈願(タコの英語はオクトパス、置くと(試験に)パスしちゃう)

赤は魔除けの色として知られ、表皮が赤色のタコは願掛け・おまじない効果があると信じられていたようです。

豊作のほかにも、家族に多幸をもたらしてほしい、病気や災害から身を守ってほしいという願掛けもあったのでしょう。

半夏生の風習がいつの時代に始まったのかはわかりませんが、縁起物としてタコが食べられるようになったのも、半夏生が起源なのかもしれませんね?

なぜ関西が由来なの?

兵庫県は日本屈指のタコの産地、大阪湾でもタコ釣りが盛んです。

兵庫県の播磨灘や淡路島、大阪湾のあたりは、砂磔(されき)底で海水温も暖かく、昔からタコが好む環境なのです。

たこつぼ漁は、なんと弥生時代からおこなわれていたそうですよ。

こうしたこともあって、関西地方では古くからタコが豊富に流通していたのではないでしょうか?

農民の豊作祈願と縁起物としてのタコが結びついて、半夏生にはタコを食べるという慣習が育まれたのでしょう。

関西ではタコがお好きな方が多く、夏至から半夏生の期間にはマダコが多く食べられているそうです。

百貨店などの食品売り場ではさまざまなタコの惣菜が、鮮魚売り場では兵庫産の明石ダコと大阪産の泉ダコが並び売り上げを競い合っているとか。

関西で発祥した「タコを食べる」風習を真似て、今年の半夏生はタコ料理にチャレンジするのもおもしろいですね。

タコの健康と美容効果

マダコ

タコは栄養成分が豊富な食材です。

健康な体づくりに欠かせないアミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸など)やタンパク質が豊富。

特にタコはタウリンがたっぷり含まれている食材として有名ですね!

タウリンにはこんな嬉しい効能があります。

  • 肝臓の働きを活発にする
  • コレストロールや中性脂肪を減らす
  • 疲労回復、元気を与えてくれる
  • 高血圧、糖尿病、動脈硬化の予防

また、タコは抗酸化効果があり若返りに役立つビタミンEやビタミンBも含み、老化防止や肌ツヤ効果が期待できるのです。

しかも、脂質が少なく低カロリーかつ腹持ちが良いので、ダイエットにも効果的

もちろん、お子さんの成長にもよい!

栄養豊富で老若男女にオススメできるタコは、家族みんなで食べるのに適しているのです。

ただ、タコは腹持ちが良い反面、消化に時間がかかるので食べ過ぎには注意したいですね。

半夏生に食べるおすすめタコ料理3選

半夏生にピッタリな人気のタコ料理を3つご紹介します。

タコのマリネ

タコのマリネ

ぶつ切りにしたタコに玉ねぎなどを加え、漬け汁(お酢・砂糖・塩・レモン汁・オリーブオイルなど)に浸してつくります。

きゅうりやトマト、ピーマンなどの夏野菜を添えたマリネは半夏生にピッタリな料理ではないでしょうか?

タコのマリネの作り方はこちら

タコと酢の物

タコの酢の物

茹でだこにきゅうりやワカメを加え、お酢の合わせ汁で和えれば簡単につくれます。

梅雨の時期にオススメのさっぱりとしたヘルシーなメニューですよ♪

タコと酢の物の作り方はこちら

タコめし

タコめし

定番ですね♪

お米に茹でだこや生姜、調味料(塩・醤油・酒・だしの素など)を加えて炊飯器で簡単に作れますよ。

タコめしの作り方はこちら

タコ以外の半夏生由来の食べ物

地域によりますが、半夏生の日に鯖・うどん・餅・団子を食べるところもあります。

鯖(さば)

福井県では半夏生に鯖の丸焼きを食べる風習があります。

昔の大野藩(現・福井県大野市)の殿様が領民に鯖をすすめたことが由来です。

農民たちの田植えで疲れた体を心配した殿様が、夏を乗り切るために脂ののった鯖を食べるように奨励したようです。

今では、福井県全体に普及し半夏生になると焼き鯖が店先に並び、夏バテ防止も兼ねて一般客でにぎわっているそうです。

うどん

讃岐うどん

香川県では、半夏生の日・7月2日を「うどんの日」と定め、うどんを食べます。

その由来は、田植えを終えた農家が、その年収穫された麦でうどんを作ってみんなで食べ、労をねぎらっていた風習にあります。

嬉しいことに、うどんの日になると製麺業の方々が讃岐うどんを無料で振舞ってくれるそうです。

餅(もち)

大阪の河内地方や奈良県では、「半夏生餅」を作って田の神さまに供える風習があります。

今でも、半夏生餅は伝統食としてしっかり地域に根づいています。

団子(だんご)

半夏生に団子を食べる地域もあります。

大阪府松原市では、きなこをまぶした「あかねこ餅」という半夏生だんご。
香川県では、あんをまぶした「はげ団子」。
京都府久御山町では、えんどう豆のあんこで仕上げた「半夏生だんご」。

団子の名前や仕上げ方は違いますが、いずれも農作業が一段落ついたことを祝って新小麦で団子をつくり、みんなで食べていたのが由来になっているようです。

旬の新小麦でつくった「うどん」「餅」「団子」は、さぞおいしかったのではありませんか?

まとめ

半夏生には季節と草花の2つの意味がある。

  1. 毎年7月2日ごろを半夏生という
  2. 半夏生の季節に花が咲くドクダミ科の多年草

半夏生にタコを食べるのは、関西地方の農家が豊作を祈願したことが由来になっている。

タコの他に、鯖・うどん・餅・団子を食べる地域もある。

半夏雨(はんげあめ)といって半夏生の時期には大雨になることもあるので、注意も欠かせませんね。

多忙な日々だからこそ、半夏生にはタコを食べ日本文化を楽しむゆとりを持ちたいものですね。